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国土が日本人の謎を解く・・大石久和・産経新聞出版 

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価値観の相違がある・・・人は同じではない。
日本人を育んだ国土
他国と違う日本の自然がもたらしたことは。
1、不便な形・・・複雑で長い海岸線と細長い弓状列島
2、一体で使いにくい・・・四島に分かれた国土の主要部分
3、分断される・・・脊梁山脈の縦貫
4、土砂・土石流災害が襲う・・・不安定な地質
5、可住地が分散・・・狭く少ない平野
6、近代的土地利用がしにくい・・・軟弱地盤上の都市
7、世界の大都市にない弱点・・・大地震の可能性
8、水を収めきれない・・・集中豪雨
9、建設コストが上がる・・・強風の常襲地帯
10、豪雪地に大人口・・・広大な積雪寒冷地域

このほかに「列島の位置」・・・位置的条件がある。
大陸との距離が離れている。
世界中至る所で、民族同士が「血で血を洗う」ようなすさまじい
紛争を何千年もの間、繰り返してきたが、
われわれはその「紛争影響圏」の外に立つことができた。
これは
「国土が日本人の謎を解く」の第二章の目次です。
自分の物差しで、他国の人を見ることで様々な
誤解や悲喜劇が引き起こされることが、よくわかります。

コロナ自粛を利用して、改めて読み直しました。
日本の住宅がなぜ高くなるか?
一部ですが、わかる気がします。

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***世界の大都市には無い弱点
日本は全国どこでも大規模地震が起こりえる。
我が国は、大地震が起こりえるプレートの境界に
存在する国。

近未来に襲うと予測されている地震は、大きな被害を
この国にもたらす。
連動して発生したら日本そのものの存続に直面する。

しかし、パリ・ロンドン・ベルリン・モスクワ・ニューヨークを
大地震が襲うことは、今後も無いと言える。

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近代的な土地利用がしにくい・・・軟弱地盤上の都市

大都市のすべてが軟弱地盤上にあり、そこには洪水の危険がある。
今から6000年ほど前「縄文海進」と言われる海面上昇があり、
今より約3メートルほど海面が高く、海岸線がかなり内陸に及んでいた
時代があった。
その時代から今日に至るまでの海岸線の低下に伴って、
河川が押し出した土砂がこれらの地域に堆積していって
扇状地や三角州がうまれ、平野が形成されていった。

欧米の都市の強吾な岩盤い比べ、日本は極めて軟弱な地盤となっている。
軟弱地盤ゆえに長大な基礎構造が必要になる。
住宅を建てるときの地盤調査で60%が基礎補強という
ことで、多額の費用が必要になる。

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可住地が分散・・・狭く少ない平野

標高が500メートル以下で傾斜していないとか、
あるいは沼沢地でないなどの条件を満たす土地を
可住地というが、山岳地が広いため、我が国では、
それは国土面積の27%程度しかない。
可住地がイギリスでは85%、ドイツでは67%、フランスでは
73%あることを考えると、農地にしたり、都市を造ったり、
工場を建てたりといった近代的な土地利用は可住地でないと
行えないので、厳しいハンデとなつている。

しかも、この可住地が極めて分散的にしか存在していない。
平野は内陸地域では盆地として、また海岸地域では、
河川が押し出してきた河口部の土砂の上しかない。

入間川や荒川の近隣の農家の納屋の天井にいまでも
和船が吊るされている光景を見ることがある。
江戸時代に入って荒川の流れを入間川の方に替える
荒川西遷事業などが行われ、さらにその後の努力により
河川の流路を固定するといった整備があり、今日のような
まとまって使える関東平野になった。

さきたま古墳群の記念館に当時の地形図が展示以されている。
今私たちの住む土地は、この地図で見たら???
湿地帯が大半かもしれません。

国土が日本人の謎を解く・・大石久和・産経新聞出版 7

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土砂。土石流が襲う・・・不安定な地質

国土面積の70%を山岳地帯が占めているため
平野が少なく、都市や耕地として広く使うのが困難。
我が国の氷河期は氷河は山脈の山頂部分にだけ
あつたから、この氷河が融解していくときに、
風化岩を山岳部に残していった。

我が国に地震や豪雨が多発するという条件も重なって、
これらの岩が簡単に崩れ落ち、土石流や土砂流となつて
麓の集落を襲う。
広大な平野に居住地を構えることのできるヨーロッパなどと異なり、
山腹の麓に住宅を設けることの多い我が国では、豪雨による
斜面崩落とともに、これらの災害が毎年のように人の
命を奪っている。