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大震災後の家づくり・・・土地地盤の確認④

河には河の山には山のそして海には海の記憶があると言う。
少なくとも、今回の震災と同じ規模の地震による津波は1000年前に同じ地域を襲っていたことがわかっていた。
被災地では神社の多くは津波の到達しない場所にあり、江戸時代の街道と宿場も津波の到達圏外にあったという。
昔からの言い伝えを、大事にして街づくりがされていた証拠だと思う。

津波はその記憶の通りに襲っただけでしかないという人もいる。
だから、情報を得ることに時間を惜しんではいけない。
今は、インターネットを使えばこうした情報を取り寄せることが出来る。
例えば、古い地層と現在の地図とを照らし合わせることが出来るのが

*「大地の解体新書」****

残念なことに関東地方と静岡の一部しかないが、建てる土地がその範囲なら
大昔の地層を知ることが出来る。
例えば私の住む家の旧地名は・・・大字笠幡字東水窪(久保)だ。
この地名は水とか窪とかがあるので、不安を感じさせるのに十分すぎる情報が入っている。
しかし、現況は大規模分譲地で旧地名の持つ要素はまったくみられない。
ただ、南北に走るメーンストリートを見ると北の団地入り口から南に向かって相当な高低差があることがよくわかる。
高低差のあった土地を造成して造った分譲地、だとしたら窪地は埋め立てられ丘は削られて平らにされていると考えるべきだろう。

『大地の解体新書』で旧地層と今を比べてみると、なんと我が家から20㍍先は沢・谷などの
窪地だったとわかる。
そういえば、我が家からそれほど離れていない家を建て替えたときに、その敷地の地盤調査をしたら建物の建つ場所の北西の角だけが、地盤が弱く基礎補強をしたことがあった。
50~70坪程度の敷地でも所により地盤強度が異なるのはそれほど珍しいことではないが、自治体の開発した大規模分譲地でもありえるということになる。
そこで、念のため同じように調べてみると一部埋め立てしたところと微妙に接している土地だった。
ここまで細かく判断できる土地情報は珍しいことかもしれないが、これから土地を購入するなら「ダメもと」で確認してみたらよいと思う。
こうすれば、大金をはたいてローンを組んだあげくに、とんでもない土地を買ってしまったと後悔する事だけは防げるはずだから。

大震災後の家づくり・・・土地地盤の確認③

地震が来たときに「ゆれやすい土地か」
同じ地震でも地盤によって震度が異なる。
震度が違えば地震による被害も異なるわけでこれは調べておいたほうがよい。
では、どこで調べたらよいか・・・
市町村には「地質・地盤」を表す地形分類図がある。
地震の影響や水害などを初めとしたその土地のリスクの程度を示してくれている。
例えば、「液状化危険度マップ」
現状ではなくもともとの地盤がどんな状況だったのか示してくれる、具体的な事例が東京湾の湾岸地域だった。
そのほか、水害リスクなどの地図もあるので、用意されているすべての項目を確認して土地を購入するくらいの用心をしたほうがよい。
埼玉県の西部地域を車で少し走っただけでも
今まで家が建てられたことのない地域、そんな土地が盛んに分譲されている。
それは、都市計画法などの制限によって建築できなかったのが条件を緩和されて建てられる土地になったのかもしれない。
造成・整地された状態は、既存家屋を取り壊した土地よりもすっきりとして綺麗に見える。
周りに建てられている家もぴかぴかの新築で、自分も「こんなところに住みたいな~」
そんな気持ちにさせる建売住宅の価格は・・・いまのアパート家賃と同じ返済で広くて新しい
土地付き一戸建てが手に入るように設定されていたりする。
その気になれば「一国一城の主」になることはたやすいのだ。
そんなに簡単に家が持てる・・・こんな甘い話が周辺にごろごろとある。
そこで一つ立ち止まって、考えてみてほしい。
返済期間は何年なのか、自分が何歳のときまで払い続けることになっているのか、払い終わったあと、一切の住宅負担がなくてすみそうか・・・・
まだ、子どもの教育などこの返済期間に必ず向き合わなければならないことが、あると思う。
そして、なによりも30~35年の間に大地震が発生する確率は間違いなく高まっている。
その時、あなたと家族の生命・財産を守るのは不動産『土地と建物』だということを。

大震災後の家づくり・・・土地地盤の確認②

震災後の家づくりは、いつ来てもおかしくない次の地震に対して
「大丈夫だろう・・・」といった希望的観測に従った家づくりではなく
明確に「大丈夫」といえる家づくりを・・・・

今回の大震災は、福島・岩手・宮城そして茨城県・千葉県は大津波による被害が想像を絶する大きかった。
その為、この地震による家屋の倒壊や損傷そして火災などは、ほとんど報道されていない。
この地震による建物被害は、浦安を初め首都圏における「液状化現象」が報道されていた。
浦安とか東雲は、50年前には海とか干潟だったから、表面的には綺麗に造成されても建物を造るには軟弱地盤対策や補強は欠かせない場所だ。
では、埼玉など内陸部で家を建てるときは湾岸地域のように地盤の心配はしないでよいか・・・というと残念ながらそうでもなさそうだ。
だからこそ、これから家を造るなら建てる土地の「地盤」のルーツを探ってみる必要がある。
そう、もともとの土地の素性はどうだったのか・・・
現在はますます建築に不向きな土地が増えている!
車で走ると、それこそミニ分譲建売の工事・売出しがここでも・・・というほどある。
(町の中で既存建物を解体後、時間貸し駐車場になっているのと真逆の現象)
田んぼを埋め立て、湿地を造成するなどしてミニ開発分譲地に建売住宅があちらこちらで造られている。
多くは「軟弱地盤」に建つこれらの家はなによりも「安い」が最大の魅力なのだが
それは、その家に住む家族の命までも安くしていることにならないだろうか・・・

例えどんなに「地震に強い丈夫な家」を造ったところでそれを支えている敷地が軟弱地盤だとしたら、この努力も無駄になってしまう。
そうならないためにも、これから土地を購入する・建売住宅を買う・・・のなら市町村に用意されている「ハザードマップ」を確認することだ。

大震災後の家づくり・・・始めに①

始めに
1000年に一度、とも言われる3.11東日本大震災から、もう8カ月になる。
それなのに復興作業どころか復旧作業さえも思うように進まない、なんとも歯がゆい思いをしている人は多いのではないだろうか。

今度の大震災は史上最大規模の地震、そしてすべてを根こそぎさらっていってしまった感のある大津波そのうえ福島原発の放射能、この影響はとにかく多岐にわたっている。
これは今後、私たち日本人のモノの考え方や行動に大きな影響を与えるだろう。

史上最大規模の地震が起き、信じられないほどの津波によって多くの人が亡くなり
建築物が根こそぎ流されてしまった。
首都圏の湾岸地域を中心とした「液状化現象」この被害も想像以上に大きく、いまだにこの復旧回復はなっていない。
目に見える被害もさることながら、関東一円に住む人の行動や生活に大きな影響を与え続けているのが、安全といわれていた福島原発の破壊と放射能汚染だろう。

毎日のように放射能の汚染状況が天気予報と一緒に報じられるのをいつのまにか当たり前に受け止めている自分がここにいる。
こうして8カ月経って改めて不思議に思っていることがある。

それは、最大規模の地震にもかかわらず当たり前の地震による建物の倒壊や火災による延焼、そしてその人的被害状況を聞いた覚えがないのだ。
過去、こんなことがあっただろうか・・・・

「何かがおかしい、何かが違う」
そんな気持ちのどこかに密かに恐れていることがある。
ことによるとあの大震災は
「これから起きる連発大地震の幕開け、始まりなのかもしれない」と。
私は、都内に出かけたときは以前から「今、大地震が起きたら・・」まず助からないかもしれないという恐れを前々から感じていた。
「その時何をしていたか、どこにいたか、誰といたか・・・」など偶然がその人と家族の人生を左右してしまうかもしれないその怖さだ。
だから真剣にいろいろな情報を調べる。
ネット社会は真偽のほどはともかく、多くの情報が瞬時に得られるから便利だ。
受け取る側が、その情報が正しいかどうか判断する必要はあるが。
今、私の手元には「首都圏直下地震の被害想定」概要がある。
直下型地震の切迫性、(関東大震災1923年から約100年になる)その被害想定、震度分布など様々な起こりうる状況がわかりやすく表にされている。
例えば東京湾北部地震M7.3 冬夕方18時 風速15m/s

建物全壊棟数約20万・火災焼失棟数・約65万・ 死者約11,000人・負傷者210,000人
なんとも空恐ろしい数字だ。
そんな事態にならないように願うしかないけれど、この首都圏直下型地震を初めとして
東海・東南海・南海地震の三つの連動が指摘されている。
(参考書籍 巨大地震 権威16人の警告「日本の論点」編集部編 文春新書)
まさしく地震列島が活動期に入ったと思わなければならない、その始まりが3.11大震災だと覚悟しなければならないし、その備えをしておく必要がまさに求められているのだと思う。
大地震はこないよ・・・そう私も思いたい。
しかしそれでは東京電力の原発対応と同じだ。
「だから、必ず来る、それは早いか遅いかでしかない」という前提で・・・・
では、だとしたらこれからの住宅は・・・
今、もし家づくりの様々な要素の中から重要なことをたった一つ絞れといわれたら
「家は災害から生命財産を守るシェルター」これに尽きる。
有名建築家が手がけたデザインの家でも、豪華で大きな家でも、先進の設備を取り入れた家でも、自然素材にこだわった家も、全壊・火災で焼失するとしたら価値を持たない。
なによりも、「家族にとって一番安全」と確信を持って安心していられる場所、それこそ我が家でなければならないはずだから。
震災前も震災後の今も変わらない
様々な夢や希望、そして予算や敷地の問題など家族ごとに異なる様々な問題をクリアして始めて家が建てられている。
しかし仮に、これから「30年以内に70%の確率で大地震が起きる」ことを前提にするならば、これから造る家は大地震を念頭においたものでなければならないのではないだろうか。
鉄骨・国産無垢材・2x4・RC構造は何でもよい。
とにかく、いつ起きるかわからない大地震と火災に備えた家、そして大地震後も同じ家に住み続けることが出来る(仮設住宅の世話にならないで)家にしたい。
合せてもう一つ忘れてならないことがある、
それは生活そのものの見直しだ。
原子力発電に頼る生活から、再生可能エネルギー・太陽光発電の活用、省エネ家電による節電、あらたな蓄電システムの開発など。
生活の中で必要とするエネルギーを
『創る』『貯める』『賢く使う』これがこれからのキーワードだ。

これから間違いなく
住宅は変わっていくことだろう。

安全安心といわれていた「空気」「水」「食」にたいする不安(食は家で解決できないが)
こうしたことがストレスになってはいないだろうか。
震災後の家は今まで以上にすべてをひっくるめて『安心』がキーワードだと思う。
それだけに大震災後の家づくりは、「大丈夫だろう・・・」といった希望的観測に従った家づくりではなく明確に「大丈夫」といえる家でなければならない。
ここでは理想論ではなく、現実に出来ることを取り上げてみたい。

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