中国四川省の大地震、人的被害は益々多くなり、どれだけの人が犠牲になったのか。
改めて、建物の耐震性によって、住む人の命が助かるかどうか左右する、この事実を突きつけられました。
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家造りの基本・・・地震に強い家
①リスクの高いガラスの大地・日本・・・地震が怖い
世界中で起きている 震度6レベルの地震の20%は
わが国 日本で発生しています。
震度6といえば、家屋や人命に影響の出る規模の地震。
阪神大震災では、1981年以前の旧耐震基準で造られた木造住宅に倒壊などの被害が多かったことは記憶に新しいことです。
震災で被害にあった家の多くは、新築後に増改築などをしています。
便利で快適にしようとしたこれらの工事で、むしろ構造強度を低下させることもありました。残念なことにその後も、家屋の倒壊につながる地震が続いています。
朝日新聞より一部引用~
『私たちは世界で一番危険な地域に住んでいるのです。』
日本経団連と内閣府の主催する企業と防災に関するシンポジウムにおいて、世界の大都市の災害危険度指数は、
ロンドン 30.0 ニューヨーク 42.0
大阪・神戸・京都 92.0 東京・横浜など首都圏はなんと! 710.0
在来工法において4軒のうち3軒は耐震性に不安があると報じる記事
1978年の宮城沖地震で約7000棟が全半壊したのを受けて建築基準法の耐震基準が強化されたのは1981年。
これまでの家づくりでは、どの程度の地震でどれだけの住宅が倒れるのか誰も分かりません。
「ガラスの大地」・・・
国土交通省は先夏に配った防災ポスターで、常に地震に見舞われる日本列島をこう表現しました。
診断された4万4000棟の在来木造住宅(平均築年数24年)のうち49%が大地震で「倒壊の危険」があった。「やや危険」との診断結果の住宅を加えると73%は耐震性に不安があった。
81年以降の建物と80年以前の建物と比べると、旧基準の建物は「倒壊の危険あり」が63%に上り、「やや危険」を加えると85%にもなった。
各都市の災害危険度を示した報道 東京・横浜が突出して危険度が高い
いずれも 朝日新聞より
一方、81年以降の新しい建物でさえ、「倒壊の危険有り」が34%、「やや危険」をあわせると60%に地震に対しての不安がありました。
新しい耐震基準の建物でも、壁の配置の悪さなどが耐震性を損ねている例が目立っています。
最近の大地震の事例として
1995年兵庫県南部地震 2004年新潟中越地震
マグニチュード 7.3 6.8
震度 7 7
死者 6,434人 51人
負傷者 43,792人 4,794人
全壊・半壊棟数 249,180棟 1,600棟
余震 250回, 本震発生後2時間以内に震度6が3回、
その後1ヵ月間に、825回の有感地震を計測。
すさまじい被害をもたらしたこれらの地震ですが、ここで注意したい事があります。
地震から命を守る事が最低条件、しかし地震の後の余震で全壊したり、全壊しなくとも住める状況ではない。
これでは、生命は守れたとしても、財産は守れない事になります。
そこで、注意しなければいけないのが「余震」の問題です。
地震直後から発生する「余震」について考えてみましょう。
一般的に地震が起きると、最初の地震より小さな地震が続発します。
最初の地震を「本震」、後の地震を「余震」といいます。その特徴は
①余震の数は本震直後に多い。10日目に約10分の1に減る。
②余震の中で一番大きなもの(最大余震)のマグニチュードは平均すると本震マグニチュードより1程度小さい。
③最大余震発生のタイミングは、内陸部では本震から約3日以内、海域では約10日以内に発生する。
1995年の兵庫県南部地震では2時間後、1994年の三陸はるか沖地震では9.5日後でした。
④大きな余震による揺れは、場所によっては本震の揺れと同じ程度になる事がある。
1996年鹿児島県北西部の地震(M6.5)では、4月3日に最大余震(M5.6)が発生、
同県川内市でも、ともに震度5強の揺れとなった。 「出展:地震調査研究推進本部HP」
適切かどうか分かりませんが、ボクシングで言えば強いパンチを貰ってもなんとか立っていられたが、その後の少し強いパンチがヒットしてノックアウトされてしまったボクサーに本震直後の余震で壊れた家が重なります。
このように余震が本震後に襲い掛かるわけですから、それでも安全な家造りが必要なのですね。