北米の標準しかし日本では出来る職人が少ない!
安全ですよ・・というお墨付きを得ているビニールクロスに含まれている成分を、あなたはどのように感じただろうか。
「ヒ素って猛毒」ではなかったのかな。
そんなものが、含まれているのに家全体をそれで仕上げて安心して暮らすことはできないはずです。
なにも、そんな内装材を使わなくても「いい家」は作れるはず。
建築業者が、ビニールクロスを使っている理由は、
勉強不足・知識がない・知っているけど価格が安いから・大工仕事が雑でも隠すことができる・工期が短くてすむ・大手ハウスメーカーもビニールクロスが当たり前だから・色柄デザインが豊富で選びやすい・・・・さまざまな理由があると思います。
でも、住む人の健康を損なう恐れがあるのなら、使わないという選択も重要なはずです。
私は、
危険なビニールクロスに変わるものとしてドライウオールを採用している。
ドライウオールとは、石膏ボードのジョイント部分やビスの上をテーピングと
パテで平滑にしてその上に仕上げ材を塗って仕上げたものです。
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日本では、この工事が出来る業者の数は大変限られているのですが
北米ではこれが当たり前の工事なのです。
家全体の気密性も高まる優れた方法ですがネックになっているには訳があるようです。
日本で普及しない理由の一つは建築基準法です。
これは石膏ボードの施工方法が影響しています。
日本では、耐力壁として認定されるためには、外部の合板も内部の石膏ボードも床から天井まで一枚で仕上げることが条件になっています。
だから石膏ボードは縦に取り付ける事になれます。
二間(3.6メートル)の壁には縦に4枚必要となり、コーナーは別として壁だけでも3カ所のジョイント部分が発生する。
北米ではこれらの合板や石膏ボードは横に貼っていくのです。
2.4メートルの高さの天井であれば2枚を横に張る事になり壁面は1か所のジョイントだけになる。
木造住宅を施工する大工や工務店は、枠組み壁工法のように壁全体を石膏ボードで留めて開口部のみ「くりぬく」という発想はしていません。
簡単に言えば、石膏ボードの半端も使いまわす作業をしています。
これでは、凹凸やジョイント部分が多くなり、どんなにドライウォーラーが努力しても、手間も施工精度も上がらないのです。
このドライウオール仕上げは、接合部を少なくする施工の工夫と凹凸面をなくす丁寧な大工の施工が大切な条件であるわけです。
なぜならば、石膏ボードの上に仕上げられるペンキは、壁に厚みのある左官工事や
ビニールクロスと異なり、粗い仕事を隠すことが出来ないのです。
(少々雑な大工仕事でも、左官やクロスによって隠すことが出来るとなればそもそも隠れてしまう下地作りに丁寧な仕事を求める必要が無いのかもしれません。)
本物の左官工事で一番職人の腕がハッキリと現れるのは「平滑な広い面積の仕事」といいます。
ドライウオールはそれにもまして、厚みでごまかすことが出来ないのです。
北米に比べてジョイント部分も多く、しかも繊細な日本人を相手にしなければならないということを考えると施工業者が少ないのも当然かもしれません。
下地作りが、何よりも大切なこの内装仕上げは、まず大工の丁寧な仕事が要求されるわけです。
今の大工に「もっと丁寧な工事をして欲しい」などといったら現場はうまくいかなくなるのは目に見えている。
昔から、大工の粗い仕事をうまく隠して仕上げるのが「下職の仕事」というのが
住宅業界の当たり前の姿で今でもこれは変わっていない。