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「いい家は無垢の木と漆喰で建てる」???

その程度は最低条件でしょう・・
「いい家は無垢の木と漆喰で建てる」神崎隆洋著、ダイヤモンド社をみてこの著者も「やはり気がついていないな」と思います。続き

そこには、こんな文章と挿絵が載っているのだ。ご紹介しよう。
「木造在来工法の場合、床下の空気は壁の中を自由に通って軒先や屋根から抜けるようになっている。壁の中の空気流通を良くして、構造体の湿気をいつも抜いている。建物自体、息が出来るから、健康で長持ちする。・・・・・・」
そう、あなたの目の前にある壁を覗くと断熱材の入っていない壁は床下まで通じていることになる。
この著者の言うとおり、床下から小屋裏まで自由に空気が流通しているのだ。
この間仕切壁は、内部ではなく、外部の空間ということです。

その空間をシロアリ処理剤も揮発すると小屋裏に向かって各部屋を通り抜けていくのです。
どんなに、外壁で断熱してもコントロール不能な外気温と同様の空気が気ままに
家中を通り抜けていては、断熱気密など考えてもまったく無意味という事になってしまうではないでしょうか。

肝心なことが理解されないまま高断熱高気密だとか、自然のままの住宅が良いとか、いかにも自然素材を使えばいい家が出来るなどという議論だけが先行しています。

「室内を暖房しているのに、内部の間仕切壁は外気温と同じ」
ということは家具がその壁沿いに配置されていれば間違いなく結露する。
押入れの内部や廊下は寒くて当たり前なのです。
それにもかかわらず、押入れの中は桐材が湿気を吸収する優れた建材だから使うとかいうのも、おかしな話です。

そもそも、住宅の間仕切壁の中が外部空間と同じだからこそ室内との、温度差による結露が発生するわけでそれを放置して建材に頼ること事態が間違っています。

暖房している部屋と無暖房の部屋との著しい温度差、風呂や洗面・トイレが外気温とほとんど変わらない理由のひとつがここにあります。
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