井戸水は冬暖かく、夏冷たく感じます。
これは外気温(地表の温度)と地中の温度差によって感じられるものです。
そこで、住宅用には地下浅いところと地表との温度差を利用した冷暖房、地中熱利用が研究されてきました。
気温は季節によって大きく変わるが、地中温度は年中安定しています。
そのため、春・秋はこの温度差をほとんど利用できないが、夏・冬には冷暖房に利用することが出来ます。
この温度差は「土」が持つ二種類の性質から発生します。
1.「土」は断熱性能を持っている。
カエルやヘビ、クマなどが「土の中」で冬眠するのは、土が断熱性能を持ってため、土の中は冷え込まないからです。
2.「土」は熱を伝える性質がある。
夏、地表面が太陽からの強烈な日射によって温められます。
その熱は、じょじょに地中深くへと伝わっていきます。
この二種類の性質によって、たとえば地下5メートル程度では、一年を通じて15~18℃の安定した温度(地温)になっています。
面白いのは、地中温度は夏は15℃前後で冬には18℃前後と、夏よりも冬のほうが高いのです。
これは、夏の日射で温められた地面の熱が半年かけてゆっくりと地中深くに蓄熱されるからです。