映画の製作にしても、オーケストラの演奏にしても、これらを完成する前に明確なテーマを掲げてそれぞれの人たちが役割を演じています。
家造りは、これと似たようなところがあり、「これさえよければ・・・」いい家になるわけではありません。
たとえば「無垢の木と漆喰で造る」「断熱・気密は○○」のように、一部だけ特別にすれば「いい家」が建つのではないのです。続き

私は、なによりもイメージを大切にして見たらどうかと思います。
具体的にその家でどのような生活をするのか、家族の生活シーンをイメージするのです。
今住んでいる住宅のように、冬は寒く結露でビッショリになっている窓ガラス。
夏には冷房をガンガン使い、冷房で体の具合さえも悪くなる。
そんな家を建てますか。
そんなことは望まないことでしょう。
そして建物の外観デザインやインテリアも、自分らしさを演出したいのは誰も同じです。
本当に気に入った家具に囲まれた生活。
一つ一つ時間をかけて、インテリアを完成させるのもいいものです。

「どんな家に住みたいか」というイメージさえハッキリさせることが出来れば
その家を構成する一つ一つについて、選択することが簡単になってきます。

その選択をするには、ある程度知識を持っている必要があります。
しかし勉強すればするほど「わけがわからなってしまった」という人が多いのも事実です。
でも、あきらめずに勉強しましょう。
勉強することによって、そのものの価値がわかるのです。
あなたの人生において最大級の買い物です。
それだけに、一部に偏るのではなく
「バランスの取れた家造り」をすることが一番大切だと思う。

「家は見た目が・・・」という人もいる。
有名メーカーの建物、著名な建築家の家を選ぶ、それに価値観を感じている人もいます。
すべてが同じ内容であるのならデザインに優れた家がいい事は間違いない。
だが、多くの場合デザインを優先するがために「無理な構造」や「使いにくい家」になる危険性や、ここで取り上げた「住むための基本的なこと」を考えないまま造られてしまう。

「安全な家」「快適な家」「寿命の長い家」など、さまざま求められる要素があるはずです。
難しいことではありません。あなたとご家族が新しい家造りに対してイメージを豊かにすれば、ほとんどがイメージにあった家になるはずですから。