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「高断熱高気密住宅は夏に暑い」という人がいる。

高断熱高気密が当たり前になった今、始めの頃は予想もしなかったこの問題が浮上しているのも事実です。続き
最初の頃から冬しか考えない高断熱高気密住宅は「夏場の逆転結露が発生してしまう」という指摘がありました。
その通りで寒い地域の高断熱高気密の考えのまま関東圏などに持ってくるのは間違っています。
そもそも、北方圏で発展した高断熱高気密住宅を暑さも厳しく湿度も高い夏のある
関東以西で建築するのは危険です。
夏の工夫をしないままこのような住宅を建築すれば、夏に厚着をして過ごすこととなんら変わらないほど、不快極まりない住宅になってしまうのです。
寒いときだけを考えて開発された高断熱高気密の場合は「スウェーデンハウス」のように複層ガラスよりもトリプルガラスを使用して断熱効果を高めることだけを考えればいいのですが、このような家は、気候のよい5月からエアコンを使う事になってしまうのです。
なぜならば冬の寒さだけを考え、夏の日差しを考えないからこのような事になってしまうのです。
そもそも、省エネルギーであるはずのこの断熱気密を施した住宅で5月から冷房が必要だとしたらなにを持って省エネルギーと言えるでしょうか。
断熱材に、一番安いグラスウールの断熱材を使いバリアシートで気密を取る住宅は
おまけに、壁の中で夏場の逆転結露が起きる可能性は否定できないのです。
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結露が起きてしまえば、断熱材の性能は大幅に低下することから「土地柄に合わせた断熱材と断熱方法」を選択する必要があるはずです。

関東圏などでは冬以上に、つらく蒸し暑く厳しい夏があるのだから、大きく開けられた窓から入り込む日射しをカットするには熱を逃がさないという発想の「複層ガラス」ではなく「遮熱高断熱複層ガラス」を使う必要があるのです。
あわせて、植栽や庇、すだれやオーニングなど建物外部での遮光を考える必要があります。

実は、夏・冬快適にするには建物全体を「遮熱」する工事が何よりも効果的だとわかってきました。
その前に、高断熱・高気密の施工について見てみましょう。