記事一覧

内断熱それとも外断熱?

外断熱がいい、それとも内断熱・・・・
外気温と室内の温度差、これはそのまま住宅の基本性能を表している続き
ここで大切な事は断熱材の選定とどのレベルの断熱性能を確保するか決めることと充填断熱か外断熱なのかといった工法を選ぶことが必要となるのです。
ファイル 72-1.jpg
ファイル 72-2.jpg

例えば、鉄やコンクリートで造られた住宅はもともと熱を伝えやすい素材のため
素材自身の熱橋「ヒートブリッヂ」を防ぐには、その構造躯体を外側から包む「外断熱」が適していることは考えればわかります。
それに比べて木造構造の場合、木そのものも優れた断熱効果を持っているため
鉄骨やコンクリートのようにあまり神経質に考える必要は無いでしょう。
その場合、断熱効果だけでなく自分の家に使う外壁仕上げ材の問題や防音・遮音なども考慮しながら外断熱・内断熱かを選択したらよいのです。
そして断熱材そのものの性能、そして施工が確実に出来る事とあわせて、経年変化で垂れ下がったりしないものを選ぶ必要があるのは言うまでもありません。
これをいい加減にしてしまうと壁体内結露につながり構造を腐らせるばかりか
健康特にアレルギーのもとになるカビ・ダニの発生原因になってしまうのです。
断熱工事の重要性と平行して考えることは、気密工事です。
これが断熱工法に比べて理解されているとは思えないのが現状でしょう。
どんなに断熱工事をしても、窓が開いていたら断熱材は役に立たないのと同じで
気密工事が正しく施工されない限りせっかく冷暖房しても無駄になってしまうというのに。
一時期ほど「内断熱よりも外断熱にしたい」というお客様はいなくなってきました。
「外断熱」に関しての書籍も少なくなり、この断熱工法のブームが去ったのと
ある意味では当たり前の断熱工法として定着した事を示しています。
「これしかない」というような「ワンフレーズ」のわかりやすい切り口がこの定着を促したのは確かです。
しかし、自分たちにとってより望ましい「断熱の手段は・・・」でしかありません。
私は、外断熱も内断熱も取り入れていますが、断熱材そのものの種類は外断熱では「ウッドブリース」という断熱材を採用し、内断熱では「現場発泡断熱材」を使うのですが、建物にあわせてこれらを併用もしています。
手段にしか過ぎないこの断熱気密工事でどちらが良いかなどと論争する必要は無いのです。
ファイル 72-3.jpg
ファイル 72-4.jpg