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現場発泡の内断熱

外断熱・内断熱・それも様々な断熱気密工事の施工と検証を繰り返してきました。
外断熱なら、価格も含めて「ウッドブリース」が一番でした。
ところで、内断熱で行き着いた結論とは続き

「内断熱材」では環境先進国カナダで生まれた「アイシネン断熱気密工法」だと思う。
フロンガスを一切含まない環境にやさしい素材で水との反応で形成される炭酸ガスで発泡させ、アイシネンフォームは材料が1%で残り99%は空気。
この空気を小さな気泡で包み込み断熱気泡としているのです。
レジンとイソシアネートという2液を、壁や床、天井に直接スプレーで吹き付け100倍にも発泡させるシステムで、合板と柱の隙間などにくまなく断熱フォームが充填されるため防湿フィルムや気密テープによる気密工事が不要なのもいいですね。
水や紫外線の影響も受けず繊維系の断熱材の欠点である沈下・膨張・収縮もない。
断熱材にわずかな透湿性があり自ら水分を排出して熱性能を元に戻すので経年変化もありません。
もちろん、接している建材が腐朽したり錆びることもなく地震や台風の際にもヒビ割れ、剥離が起きないのです。
具体的な住み心地についてどんなメリットがあるのかというと
1.高気密・高断熱
優れた断熱性と完璧な気密性を同時に確保するのでわずかな冷暖房と計画換気で一年中心地よい住いが出来る。
2.健康・安全性
ホルムアルデヒドを一切含まず、その他、人体に害のないレベルのVOCも30日後には検知されなくなる。水蒸気の動きを制御して壁内結露を防ぐため、アレルギーを起こすカビの発生要因にならない。
3.遮音・吸音性
隙間を埋め尽くすため、騒音の進入や生活音の漏れを防ぎ、素材自体も騒音減少率(NRC)70%、音響透過率(STC)37dBという高い吸音性を発揮する。
こうした音響特性によりオーディオルームの吸音材に選ばれている。
4.省エネルギー
気密性に優れ空気漏れを防ぐことで、真夏や真冬でもエネルギーロスが少なく
冷暖房費が繊維系断熱材の家に比べて30~40%も低いという調査結果が出ている。
5.自己消火性
断熱材に炎を近づけると、発火したりせず、表面が炭化するだけという自己消火性の物質で、火災が発生した場合も燃え広がることがない。
これにより、在来工法・枠組み壁工法とも30分の防火認定を得ている。

6.長期性能維持
従来の断熱材と違って経年変化して性能が劣化することも、地震等で構造材が変形しても剥がれない。
このため「生涯保証書」を発行している。
以上は「アイシネン」のカタログなどを参考にしていますが
目に見える室内結露と違って、見えないところ「壁の中」で発生している結露は
構造材を腐らせシロアリの温床になるばかりか「地震による家屋の倒壊」といった形であなたの大切な生命財産を脅かしていることを知ってください。
断熱・気密工事はどのような「断熱材を選び確実な施工がキッチリと担保され、しかも経年変化によって初期性能が損なわれることがない」ことこそ重要です。

大変優れているのですが、残念な事は「価格」です。
原液をカナダから輸入して、限られた会社で施工するので、価格が高めになっています。

少しでも、いい家を安く造りたいと思う気持ちは、造り手側として当然持たなければならないはず。
この「アイシネン」と同じ仕組みの断熱方法がありました。
今は、特別に指定がない限り「現場発泡・内断熱」はそれを採用しています。
商品名は「シークレット」ですが・・・
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