記事一覧

個人的には、ブルガリが記録的な薄さに熱狂的なまでにこだわらない領域で事業を展開するのはいいことだと思う。

誤解を恐れずに言えば、半透明のポテトチップスの高さに匹敵するような薄型時計が開発されることには、誰よりも期待しているのだ。しかし、時計の世界におけるイノベーションに貢献する方法は無数にある。そのひとつが前者だ。誰かが(リシャール・ミルのように)自分の記録を破ったら、初心に帰って対抗し始めるのだ。もうひとつは、競争という概念とは無関係に自社の製品を改善する方法である。

ブルガリ オクト フィニッシモ 102469 BGO40BSPGLXT_SK

品番 102469
仕様
ムーブメント 手巻き(マニュファクチュールムーブメント BVL 128SK)
ケース素材 ステンレススティール(ブラックDLC)/18Kピンクゴールドベゼル
ベルト アリゲーターストラップ
防水 30m防水
サイズ 40mm
その他特徴 パワーリザーブ表示
ケースの厚さ5.35mm
特徴的で大胆なデザインと究極の精密を表現するオクト。洗練されたイタリアのクリエイティビティと、熟達したスイスの時計製作技術を具現しています。15~16世紀にかけて、レオナルド· ダ· ヴィンチをはじめとするイタリアの芸術家達は、革新的かつ時代を超越する傑作を生み出しました。同様の独創性に駆られて制作されたオクトは、310年前後に建設されたマクセンティウスのバシリカからインスピレーションを得た独特の八角形のデザインを、並外れた機構と融合しています。
極薄スケルトン加工の機械式マニュファクチュールムーブメントを搭載し、モダニティを象徴するウォッチは、パワフルなカラーリングで強烈な個性を主張します。ブラックDLC仕上げの精巧な構造のケースに、極めてイタリア的な強さが加わります。

私には、新しいスケルトン エイトデイズが後者であるように感じられる。ブルガリはオクトコレクションの重要性を認識し、その技術的優位性をさらに高めるために新しい自社製キャリバーを採用した。 このようにして、ブルガリはジュネーブ・ウォッチ・デイズの新作の目玉として貴金属を使用したモデルを製作したのである。とはいえ、高さは5.95mmと、決して厚みのある時計ではない。

2022年 ブルガリ新作 オクト フィニッシモ トゥールビヨン クロノグラフ スケルトン オートマティック Ref:SAP103295

Ref:SAP103295
ケース径:42.0mm
ケース厚:7.4mm
ケース素材:サンドブラスト加工のグレード5チタン
防水性:30m
ストラップ:サンドブラスト加工のチタン、フォールディングバックル
ムーブメント:自動巻き、Cal.BVL 388(極薄スケルトン加工の機械式マニュファクチュール ムーブメント)、52時間パワーリザーブ、毎時21,600振動
仕様:時・分・秒表示、シングルプッシュクロノグラフ、トゥールビヨン、シースルーケースバック、サンドブラスト加工のチタン製クラウンとプッシュボタン、スケルトン加工のマットグレーのダイアル、プレーンカウンター
限定数:50本

さて、ブルガリがスケルトンという不気味な空間を作り上げたのは、オクト フィニッシモが初めてというわけではない。加えて、スケルトンにする方法はひとつしかないと思うかもしれないが、それは間違いである(そう思わなかったのなら、あなたの脳に考えを植えつけてしまったことをお詫びしたい)。この新しいモデルは、引き続きスモールセコンドとパワーリザーブインジケーターを採用しているが、リザーブが時間単位ではなく日単位で表示されるのに、それを示すパワーリザーブインジケーター表示ではないのはどうしてだろう?

私が気に入っているのは、ダイヤルデザインに自動車をテーマとしたものを採用している点だ。 1957年ごろにデトロイトの自動車工場で印刷されたようなエイトデイズの文字や、パワーリザーブゲージのモチーフなどからは、あえて選んだもののような印象を受ける。意図的な選択は、私のなかではいいことだと考えている。パワーリザーブの減少(または満タン)を示すために動く針はなく、むしろ非常に整然とした、曲線の多いディスプレイが時計全体の外観に継ぎ目なく溶け込むようにできている。この時計には、もはや針は必要ないのだ。

もちろん、この針はブルガリのスーパーコピー時計職人が新たに考案した新ムーブメント、BVL199SKの動作を使用者に伝えるためのものだ。いずれ訪れるであろう、ルーペで間近に見られる日が待ちきれない。それ以外は、八角形のケースと丸いベゼルを持つ(現代の)クラシックなオクト フィニッシモのデザインを見ているようなものである。この特別なモデルをローズゴールドで発表したのは賢明な判断だったと思う。特別感があるから……だってそうだろう。

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://psrtner.sakura.ne.jp/book/diary-tb.cgi/45

トラックバック一覧