梅雨の晴れ間の強い陽射しの照りつける中、静かな住宅他の中にたたずむ堀邸は、レンガ造りの瀟洒な洋館であった。2階にある玄関へのアプローチ階段を昇っていると、ふと、洋画の一場面を想い出させる。
古き良き時代のロンドンかパリあたりを舞台にした映画の中で、この様な階段を上がって行き、やがてドラマが始まる・・・
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重厚な雰囲気の室内は、芸術それも歴史の厚みを感じさせるヨーロッパの色調でまとめられていた。
応接セットのソファー、リビングボード、コーナーボード、キッチンボード等々、すべての家具が、製作者の哲学を主張した、存在感のあるもの。この家具達が部屋にぴったりと、とけこんでいる。
お聞きすれば、やはりすべてヨーロッパからの輸入家具、一つ一つ選びぬいて購入されたとのこと。何代にもわたっての使用に耐えられるという考えで造られた家具ならではの、がっしりとした存在感にあふれている。
この家具は、この家のこの部屋に置かれて、きっと幸せだろう。この家具にふさわしい家によくぞおさまったと言っても良いだろう。
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